歯の着色の原因と対策方法について

2018年12月20日

歯はエナメル質という白くて硬い組織に覆われていますが、表面に傷が付いたり、着色性の物質が沈着したりするなど、経年的な変化が見られます。その結果生じるのが「歯の着色」です。歯の黄ばみや黒ずみといった着色は、口元の審美性を著しく害することがあるため、すぐにでも改善したいという方も多いことでしょう。ここではそんな「歯の着色の原因」と「着色を落とす方法」について詳しく解説します。

 

  1. 着色の原因とは?

歯の色の変化は、主に「着色」と「変色」の2つに分けることができます。ここではそれぞれの原因についてご紹介します。

 

1-1 ステインによる着色

 

歯の着色の原因として最も一般的なのは「ステイン」です。着色汚れであるステインは、コーヒーやお茶、チョコレートなど、着色性の強い食品を習慣的に摂取している場合に発生しやすいです。その起点となるのが、「ペリクル」です。ペリクルは、歯の表面を覆っている薄い膜で、虫歯菌などから歯を守っています。同時に、ペリクルは着色性物質を吸い寄せる性質も併せ持っているため、ステイン形成の起点となってしまうのです。口腔衛生状態が悪いと、そこから歯垢や歯石なども形成され、歯ブラシでは除去が難しい着色汚れへと変化していきます。

 

1-2 加齢による変色

 

私たちの歯は、加齢によって変色していきます。歯が全体的に黄ばんで見えるようになるのは、多くの場合、加齢が原因となっています。これは加齢に伴って、歯の表面を覆っているエナメル質が摩耗していくためです。エナメル質は半透明の白い物質で、いわゆる「白くて美しい歯」はこのエナメル質が担っています。

 

そんなエナメル質が経年的に摩耗していくと、その下に存在している象牙質が透けて見えるようになります。象牙質は黄色みを帯びた物質であるため、それが薄くなったエナメル質から透けて見えることで、歯が全体的に黄ばんで見えるようになるのです。

 

1-3 虫歯による着色・変色

 

まだ発生して間もない虫歯を「初期うしょく」と呼びます。歯の表面に穴は開いていないのですが、病的な脱灰が生じているため、白斑(はくはん)という色調的な異常が現れます。黄ばみや黒ずみのような一般的な歯の着色とは異なりますが、歯の色調異常の一種といえます。そんな初期の虫歯が進行すると、酸によって溶かされたエナメル質や象牙質に、外来性の色素が沈着するようになります。これは歯の黒ずみとして現れます。

 

虫歯がさらに重症すると、歯の神経が死んでしまい、歯そのものが変色します。これを「歯髄の失活」と呼び、歯に対して強い衝撃が加わった際にも生じることがある変化です。

 

1-4 薬剤による変色

 

テトラサイクリン系の抗菌薬を服用することで、歯の変色が起こることがあります。これを「テトラサイクリン歯」と呼びます。お子さんの歯が形成される時期にテトラサイクリンを多量に服用することで生じる変色です。歯列全体が黄色みがかったり、グレーの縞模様が生じたりする異常です。

 

  1. 着色を落とす方法

歯の着色を落とす方法は、着色を機械的に落とす方法と歯を白くする方法の2種類に分けることができます。しかし、歯石除去をした上で、着色を落とさないと効果は出ません。

 

2-1 着色を落とす

 

・PMTC

   

当院では、歯の着色の原因であるステインをPMTCによって除去いたします。PMTCとは、「プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング」の略称で、専門家による歯のクリーニングを意味します。機械のブラシを使って、ステインやバイオフィルムなどのしつこい汚れを除去します。施術後は、歯の表面が滑沢になり、着色汚れも目立たなくなります。PMTCは、基本的に保険診療で施術可能です。

 

・プロフィー

PMTCでは落とすことの難しい着色汚れは、プロフィーによって除去いたします。プロフィーとは、水と炭酸カルシウムのパウダーを吹き付けて、歯面の汚れを除去する施術法です。痛みやしみるなどの不快症状はほとんど伴いません。当院ではプロフィーを1回2000円(税別)で施術しております。

 

2-2 歯を白くする

 

・ホワイトニング

PMTCやプロフィーでは落とすことのできない歯の着色や変色は、ホワイトニングによって改善いたします。過酸化水素が含まれるホワイトニングジェルを使用し、歯を漂白することで着色や変色が改善されます。当院ではしっかりと時間をかけて施術いたしますので、歯が白くなるのを実感していただけるかと思います。オフィスホワイトニングは60~90分/15,000円(税別)で行っております。

2-3 歯茎の着色を落とす

 

・ガムブリーチング

喫煙による歯茎の着色が気になる方には、ガムブリーチングがおすすめです。歯茎にフェノールと呼ばれる薬剤を作用させ、ニコチンなどによって色素が沈着した上皮を変性させます。その後、新しい上皮が再生され、ピンク色のきれいな茎へと戻っていきます。当院ではガムブリーチングを10,000円(税別)で行っております。

 

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